GSLB, 広域負荷分散とは
GSLBはGlobal Server Load Balancing、広域負荷分散の略。 主な役割として、複数拠点のサーバーへのトラフィックの負荷分散を行う。 またその利点としてユーザーレスポンスの向上、可用性の向上が見込める。
GSLBの役割
ユーザーレスポンスの向上
WAN回線上の遅延は伝搬遅延(Propagation Delay)と呼ばれる、パケットが物理的な通信経路を伝わるのにかかる時間の影響が大きい。 WAN回線で利用される光ファイバは、光信号をガラスのケーブルで伝搬するが、光の速さ(約30万km/秒)で通信できるわけではない。
物質中の光の伝搬速度は、光速を物質の屈折率で割ったものになり、一般的なガラスの屈折率(1.5)から光ファイバの伝搬速度は約20万km/秒となる。
この速度は理論上、以下のように計算できる。
- 東京-大阪間(500km)の往復の場合: 500km × 2 / 20万km/秒 = 5ミリ秒
- ロサンゼルス - ニューヨーク(5000km)の往復の場合: 5000km × 2 / 20万km/秒 = 50ミリ秒
- 東京 - ロサンゼルス(8,805km)の往復の場合: 8,805km × 2 / 20万km/秒 = 88ミリ秒
実際には直線距離でなく海底の地形的な起伏、陸地の迂回などもあるため、これよりももっと長い距離を通ることになる。 GSLBを採用している場合、無駄な伝搬遅延の影響を受けないようレスポンスの良いサイトにあるサーバーに接続させることができる。
GSLBでは各サイトとユーザーのレスポンスタイムを計測したり、地域情報をIPアドレスと紐付けたデータベースを持つことでこれを実現している。
可用性の向上(ディザスタリカバリ, フォールトトレランス)
サーバーに障害が発生した場合、障害が発生していないサイトのサーバーに誘導することで、継続的なサービス提供をする。 例えば、日本の東京、大阪のデータセンターに分散させて負荷分散を行った場合、災害など何らかの影響で東京サイトのサーバーがダウンしたとしても、生きている大阪サイトのサーバーでサービス提供をを継続できる。
GSLBを利用することで、国内の複数拠点のデータセンターを利用し、例えば地震発生率の低いデータセンターを採用する、地理的に離れたデータセンターを採用するなど、国内の災害時のをリスクを想定しつつ、かつレイテンシーも抑えることができる。
GSLBではヘルスチェックと呼ばれる通信を各サイトとGSLB間で行うことで、サーバーの負荷状況や死活監視を行う。
GSLBの仕組み
具体的にはGSLBは権威DNSサーバ(authoritative name server)として働き、上位のDNSサーバからのDNSクエリを各サイトの状態に応じて動的に解決する。
GSLBが利用可能なサービス
参考
- CLOUDFLARE - What Is GSLB? Load Balancing Explained (opens new window)
- さくらのクラウド - GSLB(広域負荷分散) (opens new window)
- A10 - グローバルサーバーロードバランシング (GSLB) (opens new window)
- APPOSITE TECHNOLOGIES - ネットワークの世界における遅延とは (opens new window)
- YOKOGAWA - 光ファイバ通信のしくみと光スペクトル測定 (opens new window)
- ウィキペディア - 光ファイバー (opens new window)
- ZEVENET - グローバルサービスロードバランシングGSLBの機能 (opens new window)
- IBM Cloud - グローバル・ロード・バランシング (opens new window)
- IDCFサービス - 白河データセンター (opens new window)